乳幼児の発熱

要点

  ①重症もしくは検査が必要と判断したら小児科へ紹介!
  ②5日以上続く熱、または6か月未満の40℃以上の発熱、尿量低下はすぐ小児科へ紹介!
  ③診察し帰宅させる場合、必ず翌日に小児科を受診するように伝える!

Points
ほとんど軽症のウイルス感染症のかぜ。その中の重症を見逃さない!

総論

学童期以降は大人と大きく変わらない。
乳幼児はコミュニケーションも難しく、さらに進行がとても速いので危ないサインを見逃さない。
たとえば下痢などがあればすぐに脱水になり食事もとれなくなるため、大人より点滴の閾値を下げる。

主訴

発熱

General & Vital signs

Generalは良好なものから不良なものまで様々。
PAT(Pediatric Assessment Triangle)で外見(TICLES)、循環、呼吸の3つで評価する。
名称未設定

鑑別疾患

<乳幼児によく見られる発熱性ウイルス疾患例>
川崎病:目が赤い、口唇びらん、頸部リンパ節腫脹 ※重症化の恐れがあるため要注意!
手足口病:4歳以下幼児に多い。初夏
突発性発疹:0-1歳、突然の高熱と解熱前後の発疹
咽頭結膜炎(プール熱):結膜炎+40℃の熱+咽頭炎 5-6日の潜伏期
咽頭炎:アデノウイルス、溶連菌
乾性咳嗽:マイコプラズマ、RSウイルス
その他:水痘、伝染性紅斑、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、インフルエンザなど(予防接種歴・流行を考慮)

痙攣の鑑別疾患
熱性けいれんは6か月~6歳に多い。
痙攣、意識障害、インフルエンザを合併していたら髄膜炎、脳炎を考慮する。

医療面接・診察

医療面接
  ・親の不安、希望をしっかり聞く
  ・排尿の有無を確認(排尿が無ければ脱水の可能性があり点滴が必要
  ・5日以上続く熱、または6か月未満で40℃越えの乳児は軽症でもすぐ小児科に紹介
診察
  ・とにかく泣かさない!
  ・視診→聴診(泣く前に聴診)→触診→咽頭(基本的に咽頭確認時は泣くため最後)

治療

軽症例は対症療法。
例)解熱薬:カロナール、アセトアミノフェン座薬10mg/㎏/回
  整腸剤:ミヤBM 0.1g/kg/day

痙攣の治療
静注:セルシン® 0.3mg/kg/回 静注
坐薬:ダイアップ座薬0.4~0.5mg/kg/回
痙攣はすぐに止める!止めた後に小児科に紹介へ。

小児のバイタル
スクリーンショット 2018-04-01 17.18.55
スクリーンショット 2018-04-01 17.18.57

 

ページ上部へ戻る